風雨からテントを守るための大きなかまぼこ形の建物の中に、野生動物を追って、あるいは家畜を連れて移動をする人々が使うテント6棟が展示されています。また、隣接して動物広場があります。
ベドウィンはシリアの砂漠地帯でヒツジやヤギなどの遊牧を行う人びとです。これは冬用のテントで、ヤギの毛を織って作ったものです。内部はついたてで2つに区切られ、客をもてなす男の場と女を中心とする家族の場とに分かれています。
ケニア北部の砂漠地帯でラクダの遊牧をするレンディーレのテントです。移動するときには、ラクダ2~3頭にテントをはじめすべての家財を積んで運搬します。木製のドーム型の骨組みをサイザル麻で編んだむしろでおおいます。内部は向かって右が男、左が女の場として使われます。
サーミはスカンジナヴィア半島のツンドラ(凍土)地帯や森林地帯で数百から数千頭のトナカイを遊牧してくらす人びとです。テントはコアハティと呼ばれ、シラカバの木を円錐形に組んでキャンバス布でおおい、煙出しのため上部を空けて建てられます。
ベルベルの一部はモロッコのアトラス山麓の草原で、ヒツジやヤギの移牧をしています。テントはアルヘィマと呼ばれ、ヤギとヒツジの毛を織ってつくられます。テントは東向きに建てられ、内部は向かって右が女、左が男の場として使われます。
中央アジアのステップでウマ、ラクダ、ヒツジなどの遊牧を行うモンゴルのテントです。中国語でパオ(包)、モンゴル語でゲルと呼ばれます。蛇腹式の木組を壁にし、そこに屋根棒と円形の環を乗せて上からフェルトをかぶせてつくります。
北アメリカ中央部の大平原でバッファロー(アメリカバイソン)狩りをしてくらしていたシャイアンのテント。ティピと呼ばれ、キャンバス布にはトンボなどの動物や生き物の模様が描かれます。