exhibition
展示
ドイツ南部の美しい村の情景を復元
ドイツ バイエルン州の村
ドイツ南部の美しい村の情景を復元
ドイツ バイエルン州の村
復元年代
復元方法
壁絵が彩る、バイエルンの小さな村の風景
アルプスにいだかれたバイエルン州の、のどかな美しい村の情景を復元しています。村は聖ヨセフの泉を中心に、色鮮やかなフレスコ画の外壁をもつ2棟の民家があり、奥の小丘には礼拝堂がたっています。また村の周りには、マイバウム、マリアの祠、家畜の水飲み場、ハト小屋などがあります。
ガストホフバイエルン
“バイエルンの旅籠”という意味のガストホフバイエルンは、17世紀ごろに建てられた農家を、のちに駅馬車の旅籠(宿と食堂を兼ねたもの)に改造した家屋をモデルに復元したものです。大きな庇と傾斜のゆるい屋根、石壁に木の小屋組みをのせる建築方法は、オーバーバイエルン地方の特徴です。
1階にはドイツ料理レストラン、2階には1950年代の部屋と生活道具を展示した民族展示室と、バイエルン地方の文化を紹介した地域展示室があります。
メルヘンバルト
街道沿いの商家をモデルとした民家で、1階が店舗、2階が住居になっています。このような家屋形式は、16、17世紀に豪商フッガー家の影響で街道筋の村が発展したときに生まれました。
“メルヘンの森”を意味するメルヘンバルトの外壁には、グリム童話「いばら姫」「幸せのハンス」などの絵が描かれています。
1階には民芸品店と民族衣装試着室、2階には玩具王国であるドイツのおもちゃを紹介した玩具展示室があり、木工細工、ぬいぐるみ、鉄道模型などを展示しています。
聖ゲオルグ礼拝堂
ゲオルグはローマ帝国の軍人で、伝説ではシレーネ(現在のリビア)で悪龍に襲われた王女を救う武勇をたてたと言われています。ローマ皇帝のキリスト教迫害に抵抗して処刑され、キリスト教の最高殉教者としてあがめられています。
この礼拝堂はバロック初期の建築様式をもち、内部は祭壇のある内陣、礼拝席、天井画のある身廊とから構成されています。天井には、聖母マリアやキリストの姿が描かれ、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
鐘楼にすえられた鐘は、オーストリア国境近くのパッサウの街で新たに鋳造したものです。2階にはバイエルン・バロック様式のパイプオルガンが設置されています。
2階はパイプオルガンが置かれています(保存のため通常は立入りできません)。
展示しているパイプオルガンを実際に演奏した音源を、礼拝堂内のBGMとして聴くことができます。
風の絵
ガルミッシュ・パルテンキルヘン周辺では、「風の絵」と呼ばれる美しいフレスコ画が民家の外壁に描かれています。この名前はそよ風のような手早さで描き上げられなければならないフレスコ画特有の描き方にちなんだものとも言われ、200以上も前からの手法です。
この手法を使う画家は「リュフトル・マーラー(風の画家)」と呼ばれ、長年にわたり家々の壁を美しい絵で彩ってきました。その技法は、壁が湿った状態で描く伝統の“プリマ・フレスコ”と、壁が乾いた状態で描く“ゼッコ・フレスコ”の2つ。とくに“プリマ・フレスコ”は技術・保存ともに難しく、現地でも描ける人は数少なくなっています。
復元に携わったゲルハルト・フリードリッヒ・エスター氏は、そんな数少ない画家のひとり。彼の作品や、リトルワールドでの復元の様子は、ガストホフバイエルンの2階地域展示室で、映像を通して見ることができます。