exhibition
展示
美しい鞍型屋根が特徴の、高床の家
インドネシア トバ・バタックの家
美しい鞍型屋根が特徴の、高床の家
インドネシア トバ・バタックの家
年代
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復元方法
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丘や辻に立つ、祈りの場所
ペルーの十字架
囲いの中でくらす、トバ・バタックの人びと
インドネシアのスマトラ島北部で、水稲耕作を営むトバ・バタックの人びとは、5~10棟の家で集落をつくり、砦のようにその周りをタケや土塁で囲います。これは、集落同士で互いに襲撃を繰り返したという歴史があるからです。高床の家屋内部には間仕切りはなく、父系親族を中心とした人びとが住みます。
展示家屋は1947年、第二次世界大戦直後に建てられたもので、現地より移築しました。
人びとの英知を感じる、優れた家屋構造
家屋は高床式で、両端が大きく反りあがった独特の鞍型屋根が目を引きます。屋根材はイジュクと呼ばれるサトウヤシの繊維毛を使用しています。
家は舟の仕組みによく似た剛構造と柔構造を組み合わせた優れた構造を持ちます。微妙な重力バランスで建つ家屋は、建築学上でも貴重な資料を示しています。
3層に分かれる住まい
家は3層に分かれ、屋根裏には神がみが、高床部分に人間が、床下に大切な家畜であるスイギュウが住むとされています。
家の正面にある階段を上がると、人間の住まいである大部屋があります。部屋に仕切りはありませんが、階段の左側は娘の寝所、奥は主人夫婦の寝所、さらに左奥へいくと炉のある台所といったように、それぞれの場所に分かれています。(※部屋内部は非公開)
思い出を壁に
家の側面の壁には機織りや村の広場、人物などの村人の思い出やイメージが描かれています。建築年代が第二次世界大戦直後ということもあり、「オランダ軍と日本軍の戦い」など、戦争を描いたものもあります。
魔よけ像、シンガ
家の正面には獅子像シンガ1対とスイギュウの顔の魔よけが彫刻されています。その間を埋めている文様はトバ湖の水草を表しています。