exhibition
展示
トーテムポールと彫刻壁のある冬の家
アラスカ トリンギットの家
トーテムポールと彫刻壁のある冬の家
アラスカ トリンギットの家
復元年代
復元方法
ひとつ屋根の下に集った、冬の生活
トリンギットは、アラスカ東南部、太平洋側の海岸地帯で、カヌーを使った魚や狩猟、採集によって生活を営んでいた民族です。短い夏の間は2~3家族ほとの集団に分かれ、豊富な海や川、森の幸を求めてキャンプ生活を送ります。冬には一族40名ほどが集まって、この家のような大規模な家屋に住みました。
トリンギットは、採集狩猟民族ではめずらしく、首長、貴族、平民、奴隷、呪術師に分かれた階層社会を形成していました。
部屋の使いかたには決まりがあります。一番外側で、上になっている段が寝るところ、炉に近い中央の低い段は食事やくつろぐ場として使われ、一部の床下は食料貯蔵庫になっていました。家長夫婦はカラスを表した大きな彫刻壁の裏側で寝起きしました。
こうしたトリンギットの伝統的な生業や社会のあり方は大きく変化し、現在ではほとんど見ることができません。展示家屋は現地の博物館にある家屋をモデルにし、彫刻をはじめ主要な部分を現地で加工し、復元をおこなっています。
豊かな食料を加工する
夏は漁や狩り、食料集めにいそしむ季節でした。海ではオヒョウ、サケ、ニシン、アザラシ、陸ではクマ、シカ、果物類などが手に入ります。動物の毛皮は衣服や交易品としても利用されました。こうして集めた食料を、スモーク・サーモンに代表されるような優れた技術で保存し、長い冬に備えました。
トリンギットは土器や鉄器を持っていませんでしたが、水と材料を入れた木箱の中に焼いた石を入れて煮る「ストーン・ボイリング」という調理方法がありました。
トーテムポール
トーテムポールには、一族に伝わる神話のエピソードやそれに登場する動植物が彫り込まれます。それぞれの彫刻が一族の祖先や由来を表し、一族の団結や家系を象徴します。周辺の他の民族の間では家の柱や記念の独立柱として建てられましたが、トリンギットは柱の根元をくり抜き、家の出入り口としても使っていました(展示家屋はふさいでいます)。