exhibition
展示
大陸から受け継いだ大家族のくらし
台湾 農家
大陸から受け継いだ大家族のくらし
台湾 農家
復元年代
復元方法
中国伝統の三合院形式
台湾の対岸にあたる中国福建地方の漢族は、17世紀中ごろ、新しい耕作地を求めて台湾に移住してきました。
漢族は父系の血縁関係を重視し、親兄弟と一緒の敷地に住むことを理想としました。そのため人びとは結婚後はかまどを分け食事を別にし、家計や財産は独立しますが、ひとつの家屋内を平等に分け合い、一緒の敷地内でくらしました。3つの棟を合わせたようなコの字型の三合院形式は、こうした考え方を反映しており、漢族の住居の基本的なパターンとされています。
生活の中心、正庁
中庭に面した中央の部屋は正庁と呼ばれます。この正庁を背にして、左に家長である兄夫婦、右に弟夫婦の部屋が配置されています。
正庁では、祖先や道教の神々を祀るほか、祖先の命日や神々の誕生日には供物をささげて家族全員でおまつりをします。また、大切な客を招き入れたり、客間や祝宴の会場、冠婚葬祭の儀式をおこなう場としても使われます。
風水思想
中国古来の環境の考え方で、日本の家相学の原型とされます。建物は、山を背景に、水を前にした配置がよいとされ、風水先生とよばれる専門家に地形や方位を鑑定してもらいます。
逆さまの「春」
旧正月を祝う台湾では、新春を迎える前に正月飾りの赤い貼紙「春聯」を貼り替えます。これは、戸や窓のまわりに貼られ、家族の一年の健康と幸福を願うものです。
この中に春や福の字を逆さまに貼るおもしろい習慣があります。「春到」(春が来る、ツンタオ)と、「春倒」(春を逆さにする、ツンタオ)の発音をもじり、「逆さ春」で「春が来る」と洒落たものです。同様に、「逆さ福」で「福が来る」となります。