赤道直下の火山島、バリ島の貴族・僧侶階級の屋敷です。レンガの塀に囲まれた敷地は3つに分けられています。いちばん奥はヒンドゥーの神々や祖先をまつる祭祀場、中央は儀礼の建物を中心に寝室、穀倉、台所といった生活の場、手前はお祭りや儀式のときに余興として踊りやガムラン演奏をする場です。
スマトラ島北部に住む水稲耕作民トバ・バタックの家で、1947年に建てられたものを移築しました。集落はふつう5~10棟の家と同数の高倉からなり周囲を土塁で囲っています。これはかつて集落ごとに争いを繰り返したという歴史があるからです。高床の仕切りのない部屋には父系親族を中心とした人びとが住んでいます。
グァム島の南西に位置するヤップ島の住宅です。屋根はヤシの葉で葺き、壁や柱はすべてヤシ縄で固定しています。夫婦と子どもが住む一部屋の母屋は男の場と女の場に分かれ、炊事小屋も男女別々です。未婚の女性は別棟の小屋に住み、男性の若者は村に1、2ある集会所で寝泊まりします。
南太平洋のサモア諸島に住み、タロイモを栽培し魚をとってくらすサモアの人びとの住宅です。一棟一部屋の造りになっています。建物は、溶岩やサンゴの石積みの基壇の上に、床面を円形や楕円形にして建てられます。丸い屋根はサゴヤシやココヤシの葉で葺いています。壁はなく、寝る時や雨風の強いときはすだれをたらします。