exhibition
展示
草原に生きるインディアンのくらし
北アメリカ 平原インディアンのテント
草原に生きるインディアンのくらし
北アメリカ 平原インディアンのテント
北米大陸中央部の大平原にくらした30ほどの先住民(インディアン)が利用していた移動式住居で、ティピとよばれる。
復元年代
20世紀前半
復元方法
移築復元
家屋修復年
2017年、2024年
バッファローを狩るための生活基地
北米インディアンはもともと採集狩猟や簡単な農耕を営んでいましたが、17世紀に白人から馬と銃を入手すると、大規模なバッファロー(アメリカバイソン)狩りを主な生業とするようになりました。
美しい外観と機能性を兼ね備えたティピは、獲物を求めて数日ごとに15~25㎞の移動を続ける生活には大変便利でしたが、生活様式の激変にともない、現在では住居として使われることはなくなりました。
このテントは、先住民族スーのものです。
狩りは男性、家は女性
ウマと銃を手にした男たちは、1人で一日3~4頭のバッファローをしとめ、5人ほどの家族1か月分の食料となりました。皮や骨、内臓も生活道具として余すところなく利用されました。
一方、ティピは女性が造り、所有しました。組み立て、解体も女性の仕事で、手慣れた女性は1人で15分余りで組み立てました。ティピはかつてバッファローの皮を使っていましたが、白人の入植後はキャンバス地が多くなりました。ティピの模様やスタイルの違いで、遠くからでもどの民族か分かったようです。
煙抜き幕
ティピの上部には、支柱とロープで支えられた煙抜き幕と呼ばれる一対の幕があります。その時の風向きに合わせて左右の幕の角度を調節し、内部の空気を吸い上げる、簡単で効率のよい換気装置です。
この幕があるために、内部の炉で暖房や調理、照明に使う火を焚いても煙たくありません。これは世界中のほかのテントには見られないティピ独特のすぐれた装置です。