exhibition
展示
ブドウ畑に建つ美しい木組みの家
フランス アルザス地方の家
ブドウ畑に建つ美しい木組みの家
フランス アルザス地方の家
復元年代
復元方法
現地建築年代
アルザスより寄贈された、美しい木組みの農家
フランス北東部、ドイツと国境を接するアルザス地方で、ムギ、トウモロコシなどの耕作、ウシの飼育のほか、ブドウ栽培もおこなっている農家です。母屋、納屋、小屋が広い中庭を囲むように配置されています。
屋根は積雪を防ぐため急勾配になっています。白いしっくいの壁に柱や筋交いなどが浮き出ていて、“コロンバージュ”と呼ばれる中部ヨーロッパ独特の木骨構造で建てられています。
母屋は1582年に建てられたもので、リトルワールドの復元家屋の中でもっとも古い建物です。
伝統の建築様式・コロンバージュ(木骨構造)
3階建ての母屋は1階が石造り。2階以上が白いしっくいの壁に、柱や筋交いの木組みが浮き上がるコロンバージュ(木骨構造)となっています。木組みにはカシ、クリ、モミなどの堅くて丈夫な木が使われます。
コロンバージュの木組みは、デザイン的に美しいだけでなく、それぞれに意味を持っています。たとえばX形はX形の十字架で磔刑になった聖アンドレの十字架を表すほか、ムギの穂を意味する模様を見ることができます。日々のくらしを支える信仰や農作物が、家屋の建築様式にも息づいているのです。
ブドウの産地
アルザス地方はフランスの北東部に位置し、西は標高300~1000mのヴォージュ山地に、東はドイツとの国境であるライン川にはさまれた南北に細長い地形をしています。山地の風下にあたるため、雨量は1000mm以下しかありませんが、山に近いところの土壌はよく肥えています。こうした条件からヴォージュ山地東側の山腹一帯は南北120kmにわたってブドウの産地になっています。ここはリースリングをはじめとして、辛口の白ワインが特産です。
アルザスの人びとにとってワインはたいせつな飲み物。この地方の農家の多くが自家製のワインを作っています。ブドウからワインまでは、冬(12~4月)に枝の剪定や土起こし、春(5~6月)に発芽、開花、夏(7~8月)に結実、防虫剤散布、剪定、秋(10~11月)に収穫、ワイン作りというスケジュールです。
母屋の1階にはワイン貯蔵室があり、ここはワインの品質を保つために、環境があまり変化しない半地下式の構造をしています。内部にはしぼり機や発酵用の樽などのワイン作りの道具が展示されています。