exhibition
展示
オスマン朝の歴史を伝える
トルコ イスタンブールの街
オスマン朝の歴史を伝える
トルコ イスタンブールの街
復元年代
復元方法
文明の十字路、古都イスタンブール
イスタンブールは、古来より文明の十字路として栄えてきた世界有数の大都市であり、1600年間帝都であった旧市街は、ユネスコの世界文化遺産にも指定されています。
ここに復元した伝統的民家とイスラーム学院(メドレセ)の2棟は、オスマン帝国時代に建設され、今もその旧市街にたつ建物をモデルとしています。
高級住宅街の民家を再現
18世紀に建てられた旧市街の民家をモデルにしています。この家はもともと富裕層の住居でしたが、のちに1階部分が商店として利用されています。
トルコの国土面積は日本の約2倍であり、民家の建築様式は地域ごとに異なる趣を持っていますが、1階よりも2階が張り出すという特徴は広く共通しています。
イスタンブールの民家に一般的に見られる木造で、1階には靴を脱いで上がる玄関があり、トイレ、洗面所、台所があります。玄関ホールから階段を上ると、2階の張り出し部分につながります。ここには多くの窓があり、採光と通気のための工夫がされています。また、この空間は家族の憩いの場として利用されています。
イスラームの慣習に従い、2階の生活空間は男女で分かれており、左右に男の部屋と女の部屋があります。来客はそれぞれの部屋に通され、作り付けのベンチや絨毯の上でくつろぐことができます。展示では、20世紀初頭頃のくらしの様子を再現しています。
ナザールボンジュ
民家の玄関の外側には、目の形をした青いガラス玉「ナザールボンジュ」が飾られています。これは、他者に危害を与える悪意ある視線(邪視)を避けるためのお守りです。現在ではお土産としても人気があり、大小さまざまなナザールボンジュを見かけることができます。
学びの場、イスラーム学院
イスラーム学院は、オスマン帝国時代の高等教育機関で、イスラームの神学に加えて、法学や天文学なども学べる、現代の大学に相当する施設でした。大きなドームは講義室として、8つの小さなドームは寄宿する学生の部屋として使用されました。
内部の中庭には大理石の柱が並び、同じく大理石の床が敷かれ、中央には噴水が設置されています。建物の外観以上に内部空間を重視したイスラーム建築の美意識を反映しています。展示では、19世紀末~20世紀初頭頃の様子を再現しています。
オスマン帝国の歴史を伝える
この建物のモデルは、トルコで最も著名な建築家、ミマル・シナンによる1580年の作品です。ミマル・シナンは、オスマン帝国の絶頂期である16世紀に活躍し、スレイマニエ・モスクをはじめ、現代に至るまで数多くの重要な建築物を残しています。
赤いレンガと白い石灰岩を交互に積み上げた外壁と、それを支える鉛葺きのドーム屋根は、16~17世紀のオスマン帝国の建築に共通する特徴です。
ハーレム長官のイスラーム学院
イスラーム世界には裕福な人がモスクや学校などを寄進する制度があります。この建物のモデルは、16世紀末オスマン帝国のトプカプ宮殿のハーレム(スルタンの妃たちが暮らす場所)の長が寄進したものです。そのため、ハーレム長官のイスラーム学院、クズラルアース・メドレセシと呼ばれています。