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迷路のような集合住宅
西アフリカ カッセーナの家
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西アフリカ カッセーナの家
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丸や四角の家が建ち並ぶ、ユニークな集落
西アフリカのブルキナファソ南部、サバンナ地帯に住む農耕民、カッセーナの家屋です。方形の家には男性が、円形やひょうたん形の家には女性が住むことが一般的です。カッセーナは一夫多妻制の結婚制度を持ち、兄弟たちがそれぞれの複数の妻と共に集まり、一つの屋敷地を形成します。そのため、屋敷地全体はかなり広くなります。内部には穀物庫や作業場となる庭、呪術用の塚などが設けられています。
この地域はかつて近隣の民族との激しい争いがあり、敵の侵入を防ぐため、家屋は土壁でつなぎ合わされ、全体がひとつの砦のようになっています。
家の材料は土
家をつくるのは男性の仕事です。家の材料となるのは土で、水で練って団子状に成形したものを一段ずつ積み上げて壁を造ります。適当な高さになると、内部に木柱を立てて、横木をわたし、その上に小枝をのせ、ふたたび泥団子で屋根をつくります。
出来上がった壁に文様を描くのは女性の仕事です。幾何学的な文様には決まりはなく、描く人の好みで選ばれます。
サバンナの避暑対策
家屋には、乾季の暑さを防ぐための工夫が随所に見られます。家の壁は30~50cmの暑さに塗り固められ、外の熱気を内部に伝えない造りになっています。窓はまったく無いかあっても小さく、女性用のひょうたん形の家の入口はかがんで入るのがやっとという小ささで、草で編んだ扉をつけます(展示では外しています)。さらにひょうたん形の家は半地下式になっていて、乾季のサバンナは湿気がないため、家屋の中は驚くほど涼しく快適です。女性の家の前には低い土の壁でかこった場所があり、日陰ができる時間は快適に過ごすことができます。ここで子どもたちを遊ばせたり、おしゃべりをしたり、雨の降らないときは食事の支度をするなど、多くの時間を過ごします。